SPECIAL FEATURED HANABISHIがお届けする特集記事

COLUMN 10 今、こだわりの一着を作るなら!
タイムレスを手に入れる、大人な着こなしを演出するワンランク上のスーツをつくろう!

クラシックが引き続きトレンドとなっている2019年春夏のスーツ。
そのクラシックスーツを着こなすには、ディテールはもちろん生地選びが大切になります。
生地を選んだら、次は見栄えです。スーツはダブついていても、ピチピチでも見栄えは悪くなります。
オーダーならではのジャストなサイズ感にプラスしてほしいのは丁寧な仕立てです。

そこで今回は、ワンランク上の見栄えを演出する生地と仕立てについてご紹介いたします。

スーツ生地ブランドの基本(ミルとマーチャント)

スーツの生地ブランドと言っても大小様々なブランドがあります。
生地を扱うメーカーは大きく分けて「ミル」と「マーチャント」の2つに分類されます。

-①ミル:自社で一貫して生産する工場を持つ「織元」

-②マーチャント:自分たちで企画した生地を生産してもらい卸す「生地商社」

ミルの特徴は、きれいな川のあるところに多く工場を構えているというところです。良質な水は良い織物を織るのに欠かせない条件となっています。代表的な生産地として、イタリアのビエラや、イギリスのハダースフィールドが有名です。
それに対し、マーチャントはというと、自社のブランドの生産したい生地を、最適なミルで織らせファッションブランドなどへ販売していきます。生産するミルによって、得意な織り方があるので、複数のミルと契約しているマーチャントも多くあります。

選ぶ生地がミルなのか?マーチャントなのか?
あまり気にしないポイントだと思いますが、自分のつくるスーツの知識として考えてみるのもオーダースーツの楽しみの一つです。

知っていますか?イギリスとイタリアが生地の名産地の理由!

-イギリス生地の特徴

イギリスの生地と聞いて真っ先に耐久性を思い浮かべる方が多いと思います。 ロンドンの緯度は、北海道より北に位置するため、夏でも気温が低く一年を通して寒い時期が長い国です。そんな寒いイギリスでは古くから太番手の糸を使った打ち込みの良い生地が好まれました。
さらに、英国でとれる羊毛は、太い糸をつくるのに非常に適しており、古くからイギリスの生地は堅牢なものが多く存在します。
織り方にも特徴があり、経糸(たていと)も緯糸(よこいと)も双糸(2本の糸を1本に縒り合わせた糸)を使用することが多く、硬く、重く、厚いハリのある生地がもてはやされました。

現在は、メリノ種から採取できる原毛を利用した細い糸が流行となり、イギリスの生地も細番手の糸を使ったものが多くなりましたが、織り方の基本は変わらず、少々厚手でシワになりづらくハリがある生地が中心となっています。

イギリスの生地の生産地には“Huddersfieldハダースフィールド”という都市があります。ロンドンの北200キロくらいに位置するイギリス最大の生地の町です。
コルネ川とホルム川の合流地点の近くにあり、良質で豊かな水源が古くからこの町の生地産業を支えてきました。19世紀のイギリス産業革命後、イギリスのミルは歴史的な発展を遂げます。
アメリカ「ブルックスブラザース」がイギリスから輸入した生地でスーツを仕立てる店舗を開業したり、イギリス貴族がイタリアにバカンスに行くようになり、イタリアにサルトリア(仕立て屋)が増えイギリスからの輸入生地をつかったりすることにより、イギリス生地は世界に向けて輸出されていきました。

そんなイギリスのミルで織られた生地を世界に発信したマーチャントの一つが、1842年創業の老舗マーチャント“DORMEUILドーメル”です。ドーメルは、フランスのマーチャントでパリの芸術的な感性をイギリス伝統の生地に織り交ぜフランス国内で販売しました。その後ドーメルは、ウールとモヘアの交織素材「トニック」の開発や、最高級のオーストラリアンウールのみを使った「アイコニック」など様々な素材をイギリスで生産し販売しています。

現在は、ドーメルのようにオーストラリアの良質な細番手の糸に使う原毛を持ち込むマーチャントも増え、硬く、重く、厚い生地ばかりではなくなりましたが、今でも伝統的な打ち込みの良い生地はイギリス生地の特徴として残っています。

-イタリア生地の特徴

イタリアの生地といえば、しなやかで光沢感があるエレガントな生地という印象があります。
イタリアのスーツはもともと、バカンスのためにイタリアに別荘を持ったイギリス貴族に合わせ、イギリス式のスーツをつくるサルトリア(仕立て屋)が増えたことに始まっています。初めは、硬くて重いスーツをつくり始めましたが、徐々に体に沿うような羽織るスーツをつくるようになり、それに合わせ生地も柔らかいものを好むようになりました。

そこで、スペインが独占していたメリノ種をオーストラリアに輸出し、原毛が細くなるように品種改良を施し、オーストラリアの主要産業となるまでに発展させました。

そのメリノ種の原毛により、イタリアで生産される生地はよりしなやかで柔らかな風合いと、高級な光沢感で人気となりました。
織り方は、イギリスの緯糸(よこいと)双糸使いとは違い、単糸(1本)で織られている生地が多くなっています。これによって、イタリアの生地は柔らかな風合いを出すことができます。
イタリアの生地は、柔らかいので着ていて体によくなじみますが、デメリットとしてシワになりやすくなっています。しかし1本1本の糸が細いので、復元力(もとに戻る力)が非常によくなっています。

イタリアの生地産地として有名なのが“Biellaビエラ”です。イタリア北西部に位置し、アルプス山脈から流れるエルボ川とチェルヴォ川による豊かな水源をもった地区です。イタリアの毛織物の大半がこのビエラ地区で織られています。

イタリアの生地生産の特徴は、なんといっても紡績、染色、整織、整理、検反、出荷まで自社で一貫して行う点です。イギリスや日本は、分業制となっていて、紡績と染色を別の下請けが行うことが多くなっています。自社で一貫して行うメリットとして、染色も自社で行うので、オリジナリティあふれる生地をつくることができることです。それにより、メーカーごとに特色あるバリエーション豊かな色柄の生地を生産することが可能になっています。

日本にも、“Loro Pianaロロ・ピアーナ”や“Ermenegildo Zegnaエルメネジルド ゼニア”などの有名ラグジュアリーブランドから、”CERRUTIチェルッティ“”DRAGOドラゴ“などさまざまな生地が輸入され、しなやかで柔らかな素材感はもちろん、発色のいい色柄や光沢感も人気となっています。

シルエットまでクラシックがトレンド!

数年に渡りメンズのトレンドとなっているクラッシックですが、昨年までのディテールを中心としたクラシックブームから、シルエットまでクラシックになってきています。
ピークドラペルやチェンジポケット、尾錠やサスペンダーボタン付きのパンツなど、クラシックなディテールは良く見かけるようになってきましたが、シルエットはピッタリした丈の短いジャケットや、裾幅の細いパンツのシルエットが主流でした。
しかし2019SSは、肩幅は体にあわせていますが、ウエスト回りに絞りを入れすぎないナチュラルシェイプや、長めの着丈、パンツも裾幅を絞りすぎないストレートに近くなったテーパードといった、クラシックを意識した少しリラックスしたシルエットがトレンドとなっています。

それに合わせる生地の色柄も、例年より少々落ち着いた雰囲気の色柄の生地が多くなってきています。ベーシックカラーの無地はもちろん、バンカーストライプのような少し幅広のストライプ、チェックはウインドウペーンやグレンチェックなどのクラシックチェックが良いでしょう。

ベーシックな色柄が流行すると、素材の質が重要となります。インポート生地の良さは、生地自体が持っている味です。イギリス生地の質実剛健な印象や、イタリア生地のしなやかさ、それだけではなく、メーカーごとに持っているさまざまな特徴がインポート生地を選ぶ一番のポイントとなっています。

今、こだわりの一着を作るなら!

-HANABISHIがセレクトした2019SSのおすすめ生地

そこで、この春夏にHANABISHIがセレクトしたおすすめ生地を紹介したいと思います。
まずは“DORMEUILドーメル”。
イギリス生地の特徴でも触れましたが、ドーメルはフランスの感性が盛り込まれたイギリス生地です。
ドーメルは、1842年にイギリスの生地をフランスに輸入したことが始まりです。3人の兄弟で事業を大きくしたことから、ドーメルのブランドロゴマークには「3匹の羊」を表す紋章が入っています。
生地を仕入れて販売する世界最古のマーチャントで、フランスのエレガントさを盛り込んだ光沢と、イギリスらしい打ち込みの良い生地が人気です。現在は、世界80か国以上に輸出されており、シャネルやイヴサンローランなど高級メゾンブランドにも服地を提供しています。
伝統だけではなく、革新のドーメルともいわれ、さまざまな新しい試みもドーメルが世界で愛される理由となっています。東日本大震災後は、「KIBOU365」という生地バンチブックを発表し、売上の一部で被災地に桜の木を植樹するプロジェクトを立ち上げています。

この春、HANABISHIでは、全15色の色柄をセレクトしました。
無地からチェック、ワイドピッチのストライプなど幅広いラインナップを準備しています。
地色には、グレーベースの生地を多く取り入れており、次シーズンに向けたトレンドの先取りを意識したセレクトになっています。
ピンストライプ、ワイドピッチストライプ、カラーストライプ、ウインドウペーン、グレンチェックとバリエーションは豊ですが、全体的に落ち着いた色柄で構成しており、ビジネスシーンにも活躍すること間違いなしです。

DORMEUIL (ドーメル)
オーダースーツ価格 ¥122,000(税込)〜

そしてイタリアからは“Loro Pianaロロ・ピアーナ”。
1924年創業の老舗ミルとして有名なロロ・ピアーナは、創業当時から高品質のカシミヤとウールの生地を提供してきました。最高級の原料にこだわり、すべての工程について独自の進化を続けています。
1980年には自社のアパレルブランドを立ち上げ、生地のみならず世界的にも注目されるブランドとなりました。女性的な生地と言われるほど、気品あふれる色、柄、糸にこだわった生地のコレクションが、ロロ・ピアーナを世界のトップブランドに押し上げています。
ロロ・ピアーナの生地は、柔らかな風合いと手に感じるヌメっとした感触が特徴的です。これは、体に沿うようなイタリアスタイルのスーツに欠かすことができないイタリア生地の中でも最上級の風合いと言えます。
そしてもう一つの特徴は、発色の良さと光沢感です。
この特徴を支えているのは、原材料の確保に力を入れているからこそです。世界で流通しているメリノウールのスーパー100’sの30%前後を購入することからも、ロロ・ピアーナの生地に対する情熱を感じることができます。

そんなロロ・ピアーナの生地の中からHANABISHIが今シーズンセレクトしたのは厳選した8色の色柄です。 定番ともいえる、ネイビーやライトグレーなどの無地を中心に、ピンドットやワイドピッチのストライプ、グレンチェックなど、ロロ・ピアーナらしい高品質を感じられるラインナップです。
この他にも、1着単位で仕入れられるバンチブックをご用意しております。

Loro Piana (ロロ・ピアーナ)
オーダースーツ価格 ¥132,000(税込)〜

-他にも、注目のインポート生地が!

毎シーズン人気の“Ermenegildo Zegnaエルメネジルド ゼニア”は、一着ずつ仕入れるカードサンプルの中からお選びいただけます。
エルメネジルド ゼニアは、言わずと知れたイタリア生地のトップブランドです。1910年に生地メーカーとして創業して以来、オーストラリアから最高級の原毛を仕入れ、自社一貫で生地を生産するミルとして、世界一の出荷メーター数を誇っています。
自社のアパレルだけではなく、アルマーニやラルフローレン、ブリオーニやキトンなど、世界中のトップブランドに生地を提供しています。

Ermenegildo Zegna (エルメネジルド ゼニア)
オーダースーツ価格 ¥132,000(税込)〜

そして、イタリアの”DRAGOドラゴ“にも注目です。
ドラゴは、スーツ用生地としては世界で最も細いSuper210’sを用いた生地を生産することで有名なビエラを代表するミルです。しかもSuper130’s以上の糸の製造販売では、世界シェアの約70%を占める紡績メーカーでもあります。
この数年、日本の市場でも知名度をあげており、人気ブランドとしてのポジションを確立しようとしています。
もちろんHANABISHIでもセレクトしており、コストパフォーマンスの良さから毎シーズン売り切れ続出の人気生地となっています。

DRAGO (ドラゴ)
オーダースーツ価格 ¥92,000(税込)〜

  • DETAILS

    通気性や天然素材など機能的なものから、カラーや柄ものまで種類豊富な裏地選びもオーダースーツの魅力のひとつ。 今季は、華やかなリバティプリントがラインナップ。
    クラシックなスーツに、リバティプリントの裏地で自分らしさを演出するのもオススメ。

サイズだけではなく、仕立てにもこだわる!

スーツをオーダーするポイントは?というアンケートの回答を見ると、

-①サイズにこだわる

-②生地にこだわる

-③ディテールにこだわる

という方が多いようです。
この3点は見た目に直接的にかかわってくるので、より多くの方が気にするポイントだと思います。
しかし、もう一つこだわっていただきたいポイントがあります。
それが“仕立て”です。
スーツを着ている姿を見るときに、一番最初に目が行くのがVゾーンです。シャツとネクタイのコーディネートはもちろんですが、ジャケットのラペルが立体的なロールを描いているかも大切なポイントです。きれいなロールに見せるのは仕立ての差が大きく左右します。(画像参照)

そして、良い仕立てを支えているのは“縫製”です。
特にインポートスーツの柔らかい生地を縫うのは丁寧な縫製が必要となります。
柔らかい生地は、細番手の糸が使われることが多く、ウール糸の独特な伸縮性を持つ素材が多いです。その伸縮性は、原毛の縮れ(クリンプ)が伸びる時に起こる現象で、スーツ生地に使用されるウール糸でも若干の伸縮性があります。ミシンで直線に縫い合わせる際でも、伸縮性を考えながらミシンのスピードをコントロールする技術が必要となります。特に薄い春夏素材で、細番手の糸を使った生地は、パッカリング(縫い縮み)を起こしやすいため、丁寧な縫製が大切になります。

HANABISHIは、創業から80年以上にわたりオーダースーツ製造を続けてきました。長年培った縫製技術は代々受け継がれており、いまのブランドを支える根幹となっています。
そんなHANABISHIだからこそ、縫製には一切手を抜かず一着一着丁寧につくられています。
長年の歴史は縫製技術だけではなく、蓄積された日本人の体型データや、採寸技術などさまざまな所に活かされています。

今シーズン、新調するスーツは、こだわりの生地を、体型に合わせたサイズと、経験に裏付けされた縫製技術で仕立てるのがポイントです。
そこに、トレンドを意識したクラシックディテールをプラスすることにより、大人っぽさを加えたワンランク上のスーツをつくってみるのはいかがでしょうか?

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