自分らしくスーツを纏う。女性がメンズスーツを仕立てる2つの方法

スーツの着こなし

2023.4.7

メンズライクなレディースオーダースーツを着こなしているショートカットの女性

近年、メンズスーツのような直線的なシルエットのスーツを求める女性が増えています。単純にファッションのひとつとしてという方、これまでのレディーススーツではしっくりこないという方もいるでしょうが、こうした動きを受けて女性たちのニーズに応えるスーツ専門店も登場しています。

そこで今回は、女性向けにメンズテイストのスーツと、メンズスーツのパターンで女性用スーツを仕立てる方法の2つをご紹介します。

いま、メンズスーツを求める女性が増えている

「体型が強調されるからレディーススーツは苦手」「メンズライクなスーツスタイルを楽しみたい」「レディースやメンズの垣根を超えて自分らしい自由なファッションをしたい」など、ジェンダーレスの観点も含め、さまざまな理由からメンズスーツを求める女性が増えています。

女性と男性は体型に違いがあるため、単に「男性用のスーツを着れば良い」ということでは解決しません。そのまま着ても体型に合わないため、女性の体型を考慮した上でメンズスーツのパターンを活かすことが大切なのです。

冒頭でも触れたように、近年はメンズスーツのパターンで女性用スーツを仕立てる取り組みをはじめた専門店なども登場しています。性差のないスーツスタイルの構築はまだ始まったばかりですが、今後ますます加熱していき、いずれはあたりまえになっていくことでしょう。

メンズライクとボーイッシュの違いとは?

メンズライクとボーイッシュの違いは以下のとおりです。

メンズライク

メンズライクとは、デザインや色調などは女性的ですが「メンズテイストの装いになるようにコーディネートすること」です。近年人気のファッションでいうと、ビッグシルエットがメンズライクな装いにカテゴリされます。

ボーイッシュ

ボーイッシュとは、髪型や容姿も含めて「少年(男)っぽい装いになるようにコーディネートすること」です。スウェットのパーカーやスニーカー、キャップ、ミリタリーアイテムなどのファッションアイテムを取り入れるケースが多いです。

ジェンダーレスとは?

ジェンダーレス(genderless)とは、「男らしさ・女らしさといった社会的・文化的な性差(ジェンダー)にとらわれない生き方を実現しようとする考え方」を意味する言葉です。

【ジェンダーの一例】

・男性は外で働き、女性は家庭を守る

・男性は短髪、女性は長髪

・男の子は黒や青が好きで、女の子はピンクや赤が好き

女性のメンズスーツオーダーには2種類の方法がある

メンズライクなレディーススーツを着た女性(OL)

女性のメンズスーツオーダーには、以下の2つの方法があります。

レディーススーツをメンズライクなスタイルになるよう仕立てる

ひとつは、「レディーススーツをメンズライクに仕立てる」という方法です。スーツのパターンはレディースのものを使用しますが、着丈やサイズ感などをメンズライクになるように調節します。あくまでもレディーススーツがベースなので、ボタンの位置は左側です。また、多少大きめに作っても違和感のない仕上がりになります。ゲージ服(サンプルスーツ)があるため、たくさんの試着ができるというメリットがあります。

メンズのパターンを女性の体型に合うように仕立てる

もうひとつは、「メンズのパターンを使用し、肩幅やウエストなどを自分の体型に合うように仕立てる」という方法です。メンズのパターンがベースになるのでメンズライクなスーツよりも直線的なシルエットになり、ボタンの位置も右側になります。襟(ラペル)が大きいため華奢見せの効果が期待できる他、パンツのウエスト部分にプリーツを入れてヒップラインにもゆとりをもたせることも可能です。体のシルエットを目立たせたくない方、ダブルのスーツやスリーピーススーツを作りたい方におすすめです。

なお、男性と女性ではどうしても体型に違いが出てしまうため、細かい部分の調整が難しいケースもあります。オーダーする際は、それらも踏まえた上で検討・相談しましょう。

メンズライクなレディーススーツを作るポイント

ミシンでオーダースーツ(レディース)を縫製している画像

こちらでは、メンズライクなレディーススーツを作る3つのポイントをご紹介します。

レディーススーツ見本から自分好みのシルエットやサイズ感を探す

まずは、スーツ見本から自分が好きなシルエットやサイズ感のものを探します。これがベースとなるため、完成イメージを想像しながら好みのものを吟味しましょう。見ているだけでは分からないという方は、テーラーに理想の形を相談してみてください。多少の時間はかかりますが、試着をしながらこれだと思うものを探すことが大切です。

2つボタンのタイプを選ぶ

メンズライクなシルエットに仕立てるなら、2つボタンのタイプがおすすめです。1つボタンだとウエストが強調されて女性らしいシルエットになるため、メンズスーツのような直線的なラインを作ることができません。

ウエストやヒップにゆとりをもたせる

ウエストやヒップにゆとりをもたせることで、女性の体型の特徴である丸みのある曲線をカバーできます。また、ジャケットの着丈を長くしたり、袖丈を短くしたりすることで、よりメンズスーツのシルエットに近づけられます。

メンズパターンのスーツを作るポイント

こちらでは、メンズパターンのレディーススーツを作るポイントを3つご紹介します。

 ベースは「アンコン」or「ブリティッシュ

ベースとなるメンズスーツのモデルは、「アンコン」もしくは「ブリティッシュ」がおすすめです。

アンコンとは「アンコンストラクテッド/unconstructed」のことで、「非構成的な/悲構築的な」という意味です。肩パットや芯地などをできるだけ省いて仕立てられるため、軽くてソフトな着心地になります。

一方、ブリティッシュとは「英国調をベースとしたシルエットのモデル」です。アンコンとは異なり、パットを入れた構築的で立体感のある装いが特徴。重厚感のあるトラッドな仕立てなので、直線的でかっちりした印象になります。

オーバーサイズで仕立てる

メンズのパターンを使用するのに体にぴったりに作ってしまうと、女性的なラインが目立ち違和感が出てしまう可能性があります。メンズパターンの良さを活かすためにも、できるだけオーバーサイズで仕立てましょう。肩幅や着丈、袖丈の長さは自分に合うようにし、ウエストやヒップ、太もものサイズを大きくすると男性的で格好良いシルエットになります。

ダブルジャケットやベストなどを取り入れるのもGOOD

ダブルジャケットやベストなど、メンズテイストのものを取り入れるのもおすすめです。これらは男性的なイメージが強いアイテムなので、着用するとクールで格好良い印象になります。性差のないファッションを楽しみたい方には、とくにおすすめです。

まとめ

ファッションは自分らしさを表現する手段です。男女の垣根を超えてファッションを楽しむ方は増えているため、メンズっぽさを感じられるスーツを求める女性は今後も増えていくことが予想されます。メンズライクなスーツや、メンズパターンのスーツがほしいという方は、ぜひオーダーメイドを検討してみてはいかがでしょうか。

1935年創業の老舗ブランド「HANABISHI (花菱)」のオーダースーツは、完全国内縫製のイージーオーダーです。さまざまな体型の方に合わせた補正が可能で、熟練したプロフェッショナルフィッターが採寸し、あなたのご要望に合うフィットした1着をご提供いたします。初めてオーダースーツを作る方限定のお得なプランも実施しています。ぜひ、以下のリンクからチェックしてみてください。

西林 和之
Writer
西林 和之
株式会社花菱
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
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