スーツのかっこいい着こなし方を注意点・ポイントとともに紹介
スーツの着こなし
2022.4.6
目次
スーツは、着こなしによって見え方や他者に与える印象が異なります。おしゃれ、かっこいい、仕事ができそうなどプラスの印象を与えるなら、スーツの基本マナーを押さえた上で個性をプラスすることがポイントです。
今回は、スーツの基本マナーや着こなしポイントについてご紹介します。毎日スーツを着用するビジネスパーソンはもちろん、冠婚葬祭などでスーツを着る機会がある方はぜひご覧ください。
着こなしの前に、まずはスーツの種類を知ろう!
かっこいいスーツの着こなしを学ぶ前に、まずはスーツのことについて知識を深めましょう。
ジャケットの種類
こちらでは、スーツのジャケットの種類をご紹介します。
シングルスーツ
シングルスーツは、ジャケットのボタンが縦一列に並んだデザインのスーツです。スタンダードでシンプルなデザインですが、都会的で洗練された印象があり、多くのビジネスパーソンに愛用されています。ボタンの数はスーツによって異なり、ビジネスシーンでは2つボタンや3つボタンのシングルスーツが主流です。
ダブルスーツ
ダブルスーツは、ジャケットのボタンが縦二列に並んだデザインのスーツです。重厚感があり、ドレッシーな雰囲気を纏うダブルスーツは、どちらかといえば年配の方や、部下を抱えた役職の方に選ばれる傾向にありました。しかし、近年のクラシカル回帰により、若者の間でもダブルスーツが人気を集めています。
スリーピース
スーツには、ジャケット+パンツを組み合わせた「ツーピース」と、ジャケット+パンツ+ベストを組み合わせた「スリーピース」があります。
ツーピースは一般的なスーツで、新社会人のように初めてスーツを着る人にもおすすめです。一方、スリーピースはこなれ感やおしゃれな雰囲気を演出したいときにぴったりです。かっこいい着こなしを目指すなら、スリーピースも選択肢のひとつに入れておくと良いでしょう。
襟(ラペル)の種類
ジャケットの襟(ラペル)は、スーツの顔ともいえるべき部分です。ビジネスで着用する場合は、下記の3つの襟に注目しましょう。
ノッチドラペル
ノッチドラペルは、シングルスーツでは定番の襟です。見慣れたシンプルなデザインなので、ビジネスシーンはもちろん、プライベートや冠婚葬祭などにも最適です。
ピークドラペル
ピークドラペルは、尖ったようなデザインが特徴です。ダブルスーツによくみられる形で、剣先が上向きになっています。カジュアルな印象がありつつも、ドレッシーな雰囲気を纏います。結婚式などのパーティーシーンにもおすすめです。
ショールカラー
ショールカラーは、上襟と下襟が分かれていないなめらかなフォルムのデザインが特徴です。タキシードに適した襟で、華やかなパーティーシーンにぴったりです。他にも、カジュアルなジャケットにも使われています。
ベントの種類
ベントとは、ジャケットの後ろに入った縦の切れ目のことです。あまり意識したことがないという方もいるかもしれませんが、スーツの後ろ姿を作る箇所なので、ぜひチェックしましょう。
センターベント
中央に切れ目が入った「センターベント」は、最もスタンダードなデザインです。動きやすいため、外回りや出張などが多い営業職の方にもぴったりです。年齢を問わず着用でき、さまざまなシーンで使えるデザインなので、1着は持っておくと良いでしょう。
サイドベンツ
両サイドに切れ目が入ったものは「サイドベンツ」といいます。ゆったりとした直線的なシルエットになるため、重厚感があり落ち着いた印象を与えます。
ノーベント
切れ目のないものを「ノーベント」といいます。冠婚葬祭用のスーツに多く、フォーマル向けのデザインです。
代表的なスーツの柄とは?着こなしにも影響するそれぞれの印象
こちらでは、代表的なスーツの柄についてご紹介します。
シンプルな無地
無地のスーツはシンプルで遊びが少ないと思われがちですが、誠実な人、頼りがいのある人など、プラスのイメージを抱いてもらいやすく、飾らないおしゃれが楽しめます。季節感の縛りがないため、通年を通して着用可能です。ビジネススーツではネイビーやグレーが定番色ですが、濃淡によって印象が大きく変わるため、無地でも見せ方によって自分らしい着こなしを主張できます。
無地のスーツは、シャツやネクタイを選びやすいというメリットもあります。無地のシャツ・ネクタイとの相性はもちろん、色柄もののシャツ・ネクタイも違和感なくなじみます。
都会的で洗練されたストライプ
ストライプのスーツは、都会的で洗練された印象を与えます。ストライプはラインの間隔によって「若々しい」「誠実」「信頼」「繊細」など相手に与える印象が変わる他、見え方もフォーマル寄り・カジュアル寄りに変わります。例えば、ラインが細くて間隔が狭いと上品な印象になり、ラインが太くて間隔が広いとカジュアルな印象になります。
ストライプはさまざまな種類があり、例えば、極細のピンストライプやシャドーストライプはスマートで仕事ができる印象を与える他、鉛筆で線を引いたようなペンシルストライプは、洗練された都会的な雰囲気に微かなカジュアルさが浮かびます。
また、にじんだようなラインが特徴のチョークストライプは太めのラインが特徴で、色の異なる2つのラインが交互に並んだオルタネートストライプは、ややデザイン性が高く明るい印象を与えます。着こなしによって雰囲気が変わるため、自分に似合うストライプ柄を探してみましょう。
カジュアルなチェック
ビジネスシーンでは着用が難しいケースが多いですが、チェック柄も人気の柄のひとつです。カジュアルさが目立ちますが、ダークトーンで落ち着きのある色であれば、カジュアル度が控えめになるため着こなしやすくなるでしょう。
どこか温かみを感じさせるチェック柄は秋冬の着こなしにおすすめですが、春夏に合わせるなら柄の主張が少なく、色合いも軽やかなものを選びましょう。ライトグレーのようなほど良い明るさのトーンなら、春夏にもすっとなじむ涼しげで軽やかな装いになるはずです。
おすすめのチェック柄は伝統的なグレンチェックです。グレンチェックは千鳥格子とヘアライン・ストライプの組み合わせでできており、小さな格子がいくつも集まり大きな格子柄が作られています。格子の密集具合や柄の向きなどによって濃淡が変わるため、カジュアルながらも品があります。
スーツを着こなす上で知っておきたい基本マナーを紹介
スーツには最低限守るべきマナーがあります。まずは、下記の基本マナーを押さえて、スーツを正しく着こなしましょう。
ジャケットの下のボタンは留めない
ジャケットの一番下のボタンは飾りです。スーツには「アンボタンマナー」というルールがあり、ジャケットやベストの一番下のボタンは留めないのが正しい着こなしです。これは、2つボタンのスーツも3つボタンのスーツも同じなので、覚えておきましょう。
なお、立っているときは一番下のボタンを除いてボタンを留めますが、座っているときは全てのボタンを外すのが正しいマナーです。座っているときにもボタンを留めたままにすると、シワになってしまうため注意してください。
屋内ではフラップをしまう
ジャケットの腰あたりにあるポケットには、フラップがついています。フラップは雨よけやホコリよけのためについており、外に出すことで中に水やホコリが入らないようにします。
雨やホコリが多い屋外ではフラップを出すのがマナーですが、屋内ではフラップをしまうのがマナーです。仮に屋内でフラップを出したままにしていると、「この場所にいるとポケットの中が汚れる」という皮肉なメッセージに受け取られてしまう可能性もあります。ビジネスや冠婚葬祭、パーティーなどの場では、フラップをしまうようにしてください。
スーツをかっこよく着こなす方法を紹介
こちらでは、スーツをかっこよく着こなす方法をご紹介します。スーツの基本マナーを押さえたら、下記のポイントに注目して着こなしを楽しんでみてください。
インナーは肌の色に合ったものを
シャツの下から着るインナーは、肌の色に合ったものを選びましょう。基本的にインナーは外から見えてはいけないものです。そのため、シャツ越しに色が透けないもの、首元からはみ出さないもの、袖口から見えないものを選んでください。
おすすめの色は無地の白、ライトグレー、ベージュです。とくにベージュは肌の色に近く、透けているのが分かりづらいため、スーツ用に1〜2枚は持っておくと良いでしょう。
ネクタイの太さはVゾーンのラペル幅に合わせる
ネクタイは、スーツのラペル(下襟)幅に合わせて選びましょう。ラペルが細いなら細めのネクタイ、ラペルが太いなら太めのネクタイを合わせるのが基本です。双方の幅が極端に違うと、スーツを着たときのバランスが悪く見えてしまうこともあるため、ネクタイのデザインや柄、長さだけでなく、太さにも注目して選ぶことが大切です。
ネクタイの結び方にもこだわる
毎日、同じようにネクタイを結んでいる方も多いのではないでしょうか。スーツのかっこいい着こなしを楽しむなら、ネクタイの結び方にもこだわることをおすすめします。
ウィンザーノットやセミウィンザーノット、プレーンノットなど、ネクタイの結び方はさまざまです。いくつかの結び方を覚えて、その日の気分などに合わせて結び方を変えてみてください。
ベルトと靴の色は揃える
ベルトと靴の色は揃えるのが基本です。黒やブラウンのようにトーンが違いすぎると、全身で見たときに違和感が生まれる可能性が高いです。また、黒と暗いネイビーのように一見すると違いが分からない色なら問題なさそうに思えますが、ちょっとした色の差も明るい昼間には分かってしまいます。少しの違和感も与えないように、ベルトと靴の色は揃えるようにしましょう。
足元にもこだわりを
おしゃれでかっこいい着こなしを意識するなら、革靴にもこだわりましょう。足元を見て人となりを判断する方もいるため、ビジネスの場ではとくに注意すべきポイントといえます。
高級で品質の良い革靴は、メンテナンスをしっかり行えば長持ちします。また、長年愛用することでぐっと深みが増し、魅力が高まります。革靴がきっかけで「モノを大事にする人=信頼できる人」と良い印象を与えることもあるため、スーツと同じく革靴にも気を配りましょう。
ソックスはすねが隠れる長さのものを
一般的なビジネススーツの場合、足のすねが見えるのはマナー違反です。短いソックスだと座ったり、足を組んだりしたときにすねが見える可能性があるため、ソックスはすねが隠れる長さのものを選びましょう。
ノーネクタイはシャツの襟型を意識
スーツをノーネクタイで着るという場合は、襟型を意識してシャツを選びましょう。ボタンダウンカラーやホリゾンタルカラーのシャツは、Vゾーンがきれいに見えます。ジャケットを羽織ったときにもVゾーンが崩れにくいため、おすすめです。
なお、シャツのボタンを開けすぎると誠実さに欠けるように見えてしまうため、全て留めるか、1つだけ開けるようにしましょう。
小物をプラスしておしゃれに着こなそう
スーツの着こなしをより高めるために、小物を上手に使いましょう。
チーフ
ポケットチーフは、欧米諸国では挿していてあたり前のアイテムです。日本ではまだまだ浸透していませんが、さりげないチーフ使いはスーツの着こなしをワンランクアップさせてくれるでしょう。
「上司や同僚、取引先の人に嫌な顔をされるかもしれない」「おしゃれを張り切っているようで少し気恥ずかしい」などと思う方は、白のチーフをシンプルに畳み、少し見える程度に挿しましょう。白のチーフは控えめながらおしゃれな雰囲気を作るのに効果的ですし、色の効果から清潔感や誠実さ、精悍な印象を相手に与えます。
カフス
カフスは結婚式などの特別な日につけるもの、と思っていませんか?
確かにカフスはパーティーシーンによくなじみますが、普段使いにもおすすめのアイテムです。スーツに派手なアクセサリーは合わないですが、袖口にちらりと見えるカフスなら、さりげないおしゃれを楽しめます。大人っぽさを感じさせるアイテムなので、ぜひお気に入りのカフスで袖口を彩ってみてくださいね。
最終的にスーツをかっこよく着こなすには「サイズ感」が重要になる
スーツの着こなしで重要なのが「サイズ感」です。サイズが合っていないスーツを着ると、「だらしない」「おしゃれに興味がない」「身だしなみに気を使わない」などとマイナスのイメージを持たれる恐れがあります。ピシッとした洗練された印象を与えるためにも、下記の点を留意してスーツを選びましょう。
ジャケットは肩に合わせる
スーツのジャケットを選ぶ際は、肩周りに合わせてサイズを決めましょう。肩周りは後からサイズを調整するのが難しい部分ですし、サイズが合っていないと肩甲骨の間に横線が入ったり、全体的にダボついたりと不恰好な仕上がりになります。
しかし、サイズがきちんと合っていればジャケットの重さを感じにくくなるなどのメリットもあります。オーダースーツではなく、既製品のスーツを購入する際は肩周りのサイズは充分に確認してください。
パンツの丈感はハーフクッションがベスト
パンツの丈感は、ハーフクッション(パンツの裾が軽く靴の甲に当たるくらいの長さ)がおすすめです。とくに、ビジネススーツは歩いたときにソックスが見えない程度の長さにする必要があるため、長さはあるけど軽くて動きやすいハーフクッションがベストといえます。
なお、パンツ丈の調整は自分の革靴を履いて行うことをおすすめします。お店にある試着時の靴はサイズなどが合わないため、実際にスーツと革靴を合わせたときの仕上がりイメージとずれることがあります。
シャツの袖丈はジャケットの袖口から少し見える長さに
シャツは、ジャケットの袖口から1cm〜2cmほど見えているのが理想的です。市販のシャツを購入する際は、お手持ちのスーツと合わせて試着し、確認することをおすすめします。
まとめ
スーツはどう着こなすかによって印象が変わるため、ビジネスにおいてはとくに気をつける必要があります。基本マナーをしっかりと守り、その上でかっこいい着こなし方を追求していくことが大切です。
自分に合ったスーツが見つからないという場合は、オーダースーツも視野に入れてみましょう。スーツをすてきに着こなすには、スーツのサイズ感も重要なポイントです。自分の体型に合ったスーツなら、美しいシルエットを作ることができるでしょう。
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