黒のスーツはビジネスシーンでも着用可能?相性の良いシャツや注意点を解説

スーツのマナー

2022.6.26

スーツを着てオフィスに向かう男女

近年、若いビジネスパーソンを中心に黒のスーツをビジネススーツとして着用するケースが増えています。黒いスーツは礼服やリクルートスーツの印象が強いため、ビジネスに不向きだと考える方もいますが、実際に黒いスーツはビジネスシーンで着用しても問題ないのか気になる方もいることでしょう。

そこで今回は、黒いスーツのビジネスシーンでの着用についてご紹介します。礼服との違いやシャツ選びのポイント、着用時の注意点、黒のスーツに合うコーディネートについても解説しているので、ぜひご参考にしてください。

黒スーツはビジネスシーンで着用しても問題ない?

結論から述べると、黒いスーツはビジネスシーンで着用しても問題ありません。ただし、ビジネス用として販売されているものに限ります。

礼服は冠婚葬祭用なのでビジネスシーンにはそぐわないですし、リクルートスーツは学生が就活時に着用するイメージが強いため、遅くても社会人2年目からは避けたほうが良いでしょう。

黒のビジネススーツは、着こなしを工夫すれば洗練された都会的な印象を与えられます。おしゃれに敏感な若いビジネスパーソンに好まれる要素が詰まっているといえるでしょう。

ビジネス用の黒スーツと礼服の違い

黒のビジネススーツと礼服の違いをご存じですか? これら2つは、見た目にはあまり差異がないと思われがちですが、生地やデザインに大きな違いがあります。

生地の違い

黒のビジネススーツと礼服(ブラックフォーマル)では、生地の色合いが大きく異なります。同じ黒でも、ビジネススーツは光沢のあるグレーがかった明るめの黒色なのに対して、礼服は光沢のない深くて濃い黒色をしています。濃い黒色は喪服のイメージが強いため、黒のビジネススーツを選ぶ際は注意しましょう。

また、素材にも違いがあります。黒のビジネススーツの多くはウールとポリエステルの混紡なのに対して、礼服はウール100%です。もちろんビジネススーツでもウール100%のものはありますが、実用性を踏まえて機能的な素材を使う傾向があるため、混紡素材も多くみられます。

デザインの違い

黒いビジネススーツは、流行を取り入れて作られるケースが多く、最近だと細身のスーツも多く登場しています。一方、礼服は将来的な体型変化を見越して、多少ゆったりとしたシルエットで作られています。

また、襟の形やベントにも違いがあり、ビジネススーツはノッチドラペルでベント入りが主流ですが、礼服はピークドラペルでノーベントが主流です。

黒のビジネススーツは礼服として着用しても良い?

黒のビジネススーツを礼服として着用するのは、あまり好ましくありません。もちろん全てにおいてダメというわけではなく、例えば結婚式の二次会やパーティー、急なお通夜などに着用していく分にはかまいません。シャツやネクタイに注意すれば、咎められることもないと思います。

しかし、結婚式や披露宴、葬儀・告別式などにおいては避けたほうが良いでしょう。礼儀を欠いたと受け取られる可能性があるため、きちんとした服装で参列することをおすすめします。

黒スーツにはどんなシャツを選ぶべき?

黒いビジネススーツを着用する際は、下記のシャツを合わせてみてください。

シャツの色|白・サックスブルー

黒はさまざまな色と相性が良いですが、ビジネスにおいては「白」または「サックスブルー」がおすすめです。

好みに左右されない白いシャツは黒いビジネススーツとも相性が良く、相手に不快な思いをさせる心配もありません。また、サックスブルーは爽やかで都会的な色なので、同じく気品と都会的な雰囲気を兼ね備えた黒のスーツと相性が良いです。

シャツの柄|無地・ストライプ

派手な柄のシャツはビジネスにはそぐわないため、無地を選びましょう。また、アクセントとして柄もののシャツを着たい場合は、ストライプがおすすめです。ラインがはっきりしたものを選ぶと、シャープで都会的な印象に仕上がります。

シャツの襟|スタンダードなもの

シャツの襟は、レギュラーカラーやワイドカラーなどのスタンダードなものがおすすめです。

ボタンダウンのようにデザイン性の高いものは、カジュアルな印象が強いため、黒のスーツの良さを阻害してしまうこともあるでしょう。ビジネスシーンという状況を踏まえても、カジュアル色が強いものは避けたほうが良いです。

黒スーツをビジネスシーンで着こなす際の注意点

黒のビジネススーツを着用する際は、下記の点に注意しましょう。

礼服のような着こなしにならないようにする

黒のビジネススーツを着用する際は、礼服のような着こなしにならないように注意しましょう。

例えば、白シャツに白やシルバー系、黒、もしくはそれらの色に近いネクタイを合わせると、礼服のような雰囲気になってしまいます。黒を引き立てるアクセントになるような色・柄のネクタイを取り入れて、ビジネスらしい佇まいを演出することが大切です。

黒以外の革靴は避ける

黒のスーツに合わせる革靴は、黒がベストです。つま先に横線のあるストレートチップや、飾りがついていないプレーントゥ、飾りの穴がついているウィングチップなど、スーツと相性の良い革靴を合わせましょう。

なお、カジュアルダウンにダークブラウンの革靴を合わせるケースもありますが、黒のスーツとはあまり相性が良くありません。全体の着こなしやバランスを考えて革靴を選ぶことが大切です。

グローバルなシーンでは黒いスーツの着用は避ける

ビジネスにおける黒いスーツの着用は、日本ならではのルールです。欧米では黒のスーツは冠婚葬祭などのフォーマルな場で着用する認識が強いため、ビジネススーツに黒を選ぶことはほとんどありません。外資系企業に勤めている方は、黒のビジネススーツは避けたほうが賢明です。また、海外出張へ行く際などにも、黒のビジネススーツの着用は控えましょう。

黒スーツのおすすめコーディネートを紹介

こちらでは、黒のスーツに合うコーディネートを3パターンご紹介します。

コーディネート①ネイビーのレジメンタルタイで王道ビジネスコーデ

やや細身の黒のビジネススーツに、レギュラーカラーまたはセミワイドカラーの白シャツを合わせたら、ネイビーのレジメンタルタイ(ストライプのネクタイ)をチョイス。差し色のネイビーが清潔感のある若々しい印象をプラスし、ビジネスシーンにふさわしい王道のコーディネートに仕上がります。

コーディネート②赤のレジメンタルタイで胸元を明るく彩る

黒のビジネススーツに薄いブルーのストライプシャツを合わせたら、赤のレジメンタルタイで胸元に明るさをプラスします。黒のスーツは暗くなりがちですが、赤のネクタイを合わせることで「積極的」「やる気」などのポジティブなイメージをプラスできます。

コーディネート③やや太めのストライプシャツでカジュアルダウンの装いに

黒のスーツでカジュアルな着こなしを楽しむなら、太めのストライプシャツを合わせましょう。おすすめは、グレーラインのストライプシャツ。襟の部分が白のストライプシャツは華やかさをプラスできるため、カジュアルダウンしつつ品のある装いを楽しみたい方は試してみてください。

まとめ

ビジネスシーンでも黒のスーツを着用することは可能ですが、礼服に見えないように合わせるシャツやネクタイには工夫が必要です。また、欧米にはないスタイルなので、着用シーンを考えて選ぶことが大切です。

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