スーツの正しい袖の長さとは?袖丈の直し方や袖ボタンについて徹底解説

スーツのマナー

2022.8.29

スーツの袖のボタン

就活や転職、ビジネスシーンでスーツの正しい袖の長さがわからない、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。スーツの袖丈(肩部分の縫い目から袖口の端までの長さ)には適切な長さがあり、男女では多少の違いがあります。また、袖ボタンの種類によってジャケットの印象や見栄えが変わるため、袖ボタンごとの特徴を知っておくことをおすすめします。

今回は、スーツの袖の長さや裾ボタンの種類・特徴、袖の直し方などについてご紹介します。お手持ちのスーツはビジネスシーンに合うのか、スーツを新調する際はどこをどう見れば良いのかなどにお悩みの方は、ぜひご覧ください。

スーツの正しい袖の長さ

ネイビーのスーツにネイビーのチェックのネクタイを着た男性

スーツの袖の長さは、着こなしの印象を決める重要な要素です。基本の長さを押さえつつ、どのような印象を相手に与えたいかを考えた上で、適切な袖の長さを選びましょう。

こちらでは、スーツの正しい袖丈と、長さによる印象の違いについて解説します。

スーツの袖丈は手くるぶしから1~2cm

基本として、スーツの袖の長さは腕をまっすぐに下ろしたとき、手くるぶし(手首の骨部分)から1〜2cmほどの位置にくるのがベストです。加えて、ジャケットの袖口からシャツが1〜2cmほど出るように調整すると、ピシッとした美しい着こなしになります。シャツが見えない、または出過ぎてしまうと不恰好な印象になってしまうため、ジャケットを羽織ったときには鏡で袖丈やシャツの長さをチェックしてみてください。

女性用スーツの場合は、手を下ろしたときに手首〜親指のつけ根の間に袖丈がくるように合わせましょう。手くるぶしが見えている場合は短すぎ、親指のつけ根が隠れている場合は長すぎと判断できます。

また、シャツの袖丈はジャケットの袖丈よりも若干短いほうが理想的とされています。もちろんスーツINしない場合や、メンズライクな着こなしを楽しむ場合はその限りではありません。マナーを押さえた上で全体的なバランスを考慮することが大切なので、スーツ着用時にはスーツの袖丈にもシャツの袖丈にも注意してみてくださいね。

袖丈の長さによる印象の違い

ジャケットの袖丈によってカジュアルな雰囲気になったり、爽やかな印象を与えられたり、手を長くスリムに見せたりすることもできます。スーツスタイルの印象を左右する重要なポイントなので、スーツを新調する際などは注意しましょう。

長い袖丈

袖丈が長いとルーズな抜け感を演出できますが、一方で「だらしない」「野暮ったい」などのマイナスの印象も与えてしまいます。ビジネスにおいては会議や商談、営業などで会社の上司や重役、クライアントと会うこともあるため、とくに注意が必要です。

お手持ちのスーツの袖丈が長い場合は、余分な長さを詰めたり、袖口を絞ったりなどのサイズ調整を行うことも視野に入れてみてください。袖口を絞ると手が長くスリムに見えるため、野暮ったい印象が和らぎます。

短い袖丈

袖丈が短いと、腕時計やシャツが見えることで爽やかな印象になります。オフィスカジュアルを推奨している会社ならそこまで問題はないかもしれませんが、「窮屈」「幼い」「カジュアル」などのマイナスの印象を与えることもあるため、ビジネスシーンでは適切な長さにしておくほうが無難でしょう。

ただし、人の腕は左右で長さが異なるというケースが多くみられます。筋肉の緊張やスポーツ経験の有無などにより、個人差はあるようですが利き腕のほうが長いという方もいるため、既製品のスーツだとサイズが合わないことも少なくありません。

これからスーツを新調する方は、自分に合ったオーダースーツを1着作ってみるのも良い選択でしょう。オーダースーツなら自分の体のサイズに合わせて作るため、腕の長さだけでなく、肩幅や背中のライン、腰回りなどもぴったりのスーツに仕上がるためおすすめです。

スーツの袖ボタンの種類

スーツの袖のボタン
business suit fragment, macro

スーツのジャケットの袖口にはボタンがついていますが、取りつけ方や仕様によって印象が異なります。見え方はもちろん袖丈のお直し方法にも影響する部分なので、袖ボタンの種類を覚えておきましょう。

こちらでは、3種類の袖ボタンの特徴について解説します。

開き見せ

ボタンやボタンホールが“飾り”としてつけられており、袖口の開閉ができない仕様のものを「開き見せ(あきみせ)」といいます。開き見せは正統派の袖口デザインとして知られており、既製品のスーツに多くみられます。ボタンホールがなく、飾りボタンだけがつけられたものも開き見せに分類されており、ボタンが1列に並んでいることから「並びつけ」と呼ばれることもあります。

開き見せは、袖丈の調整がしやすいです。ボタンホールは閉じられているため、ホール糸を外せば袖口部分から丈を詰めることができます。

重ねボタン

ボタン同士の間隔を狭くし、重なるようにつけた仕様のものを「重ねボタン」といいます。冠婚葬祭などのフォーマルな場にはおすすめできませんが、一定の間隔で並ぶシンプルな開き見せとは異なり、重ねボタンは立体的で華やかな手元を演出できます。大人の遊び心を感じさせる魅力的なデザインなので、ボタンを変えるなどして袖口のアクセントにしてもおしゃれです。

なお、ボタン同士が触れ合う様子から「キッスボタン(キッシングボタン)」とも呼ばれています。

本切羽

ボタンとボタンホールがついており、袖口の開閉ができる仕様のものを「本切羽(ほんせっぱ)」といいます。ボタンホールが開いているため袖丈の調整は難しく、調整を行う際は肩口から行うためお直しに時間と費用がかかります。

しかし本切羽は、ビジネスシーンではボタンを留めて、カジュアルな場ではボタンを外すというように、状況に合わせて着こなしを変えることが可能です。袖口のおしゃれを楽しみたい方には、とくにおすすめですよ。

シャツ丈とのバランスと長さの目安

スーツの袖の長さは、シャツの袖の長さとのバランスを考えることが大切です。先でも述べたように、腕を下ろしたとき、ジャケットの袖口からシャツが1〜2cmほど見えるのが理想的な長さです。ジャケットの袖丈が長すぎるとシャツが見えないですし、短すぎるとシャツが見えすぎてしまいサイズの小さいスーツを着用しているかのような印象を与えてしまいます。人によっては稚拙なイメージを抱く恐れもあるため、着こなしには充分注意しましょう。

しかしながら、スーツの袖丈だけに気をつけていても意味がありません。仮にスーツの袖丈をちょうど良い長さにしても、シャツの袖丈が合っていなければバランスが崩れてしまいます。シャツの袖丈は全て同じではないですし、洗濯などによってシャツ全体やカフス周りが縮むこともあるでしょう。そうなるとシャツの袖の長さが変わり、見え方も変わってしまうため、1枚1枚きちんと試着をして、お手持ちのスーツに合うシャツを選ぶことが大切なのです。

シャツ丈が合わなかったときの対処法

アームバンド

既製品のシャツを購入する際、首周りや肩幅のサイズはちょうど良いのに袖丈だけが合わない(長すぎる)というケースも珍しいことではありません。シャツの袖が見えすぎるとだらしない印象を与えるため、下記の方法で長さを調節してみてください。

袖口のボタン位置を変更する

カフスサイズが大きいと、手首の部分でシャツが止まらず、シャツの袖が見えすぎてしまいます。袖口のボタン位置を内側に移動させて、ジャケットを着用したときにちょうど良い長さに調節しましょう。

「アームバンド」や「シャツガーター」で調節する

アームバンドやシャツガーターなど、アイテムを使って長さを調節するのもおすすめです。不要な分の袖をたくし上げて固定できるので、簡単に長さ調節ができます。シンプルなものやおしゃれなものなどデザインが豊富なので、好みのものを見つけられるでしょう。金属製やレザーなど素材もさまざま。水に強い素材で作られたものもあるので、雨に濡れたり汗をかいたりしても安心です。

スーツの袖丈の直し方

こちらでは、スーツの袖丈を直す方法についてご紹介します。

購入店に依頼

一般的にスーツのお直しは「購入したお店」に依頼します。スーツ専門店だけでなく、既製品のスーツを販売している量販店でもサイズ直しは可能です。

オーダースーツ専門店の場合、採寸などをした後で自分のサイズに仕立てるので、お直しの必要はほとんどありませんが、購入後に体型が変化した場合などでも、袖丈も含めてサイズ変更を依頼できます。サイズ感にこだわりたい、長く愛用できるスーツがほしいという方は、オーダースーツがおすすめです。

お直し専門店に依頼

洋服の修理やサイズ変更、仕立て直しを行っている「お直し専門店」に依頼するのも1つの方法です。技術力に優れたお店なら、袖口ではなく肩口から袖丈の調節を行ってもらえるため、本切羽の袖丈調節も安心して依頼できます。スーツを購入したお店が近くにないという場合は、技術力に定評のあるお直し専門店を探してみてはいかがでしょうか。

自分でスーツを直す方法

裁縫や縫製が得意という方は、自分でお直しをしてみるのも良いかもしれません。しかし、比較的簡単にできるスラックスの裾上げとは異なり、ジャケットの袖口のお直しはボタンやボタンホールなどがあるため難しいことが多いです。生地を傷めたり、仕上がりのバランスが崩れたりと

失敗するリスクもゼロではないため、やり直しが利かないことを考慮した上で行いましょう。

なお、「明日どうしても着用したい」など、お直しに出す時間がなく緊急を要する際は、ひとまず仮止めで袖丈を調整するというのもひとつの方法です。本切羽ではなく、飾りボタンのジャケットであれば調整しやすいでしょう。その後、購入店や専門店にお直しを依頼してください。

まとめ

スーツの袖丈は、着こなしの印象を左右する重要なポイントです。長すぎても短すぎてもビジネスシーンにはそぐわないため、ちょうど良い長さや、シャツとのバランスを押さえておくことが大切です。

オーダースーツなら袖丈までぴったりのスーツを作ることが可能です。ここぞというときに着用するスーツをお探しなら、ぜひオーダースーツを仕立ててみてはいかがでしょうか。 1935年創業の老舗ブランド「HANABISHI (花菱)」のオーダースーツは、完全国内縫製のイージーオーダーです。さまざまな体型の方に合わせた補正が可能で、熟練したプロフェッショナルフィッターが採寸し、あなたのご要望に合うフィットした1着をご提供いたします。初めてオーダースーツを作る方限定のお得なプランも実施しています。ぜひ、以下のリンクからチェックしてみてください。

西林 和之
Writer
西林 和之
株式会社花菱
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
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