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COLUMN 06 この秋注目のクラシックディテールのスーツをビジネスにも!

猛暑だった2018年夏。
クールビズが推奨され、オフィスでも取引先との商談の場でもカジュアル化が進んでいます。スーツを着ている人はもちろん、ジャケットを着用しているビジネスマンも年々少なくなっているようです。
そんな夏も終わり、スーツやジャケットを着て仕事する季節がやってきます。
スーツといえば最近、「クラシック」というキーワードがトレンドになっています。
「クラシック?」となる方も多いと思いますので、今回はクラシックなスーツについての話です。

-まずは“スーツの起源”

スーツの起源は、今をさかのぼること150年以上前の1850年頃のイギリスで、当時モーニングコートの裾を短くしたラウンジジャケットの流行が始まりだったと言われています。
当時、ディナーは燕尾服とイブニングドレスを着用し、静かで常に重苦しい雰囲気が漂っており、ディナー終了後、男性はラウンジルームに向かい葉巻を燻らせながら男同士の砕けた会話を楽しんでいたようです。その際にウエストのキュッとした燕尾服ではくつろぐことができず、労働服を改良したラウンジジャケットを着てリラックスした時間を楽しむようになったそうです。1860年頃からは、このラウンジジャケットに共布のベストやパンツを作るようになり、それが今でいうスーツの原型であるラウンジスーツとなります。

-クラシックの見本“ブリティッシュスタイル”

スーツの原型であるラウンジスーツを作り出したイギリスには、英国紳士のみならず世界のメンズファッションから切り離すことのできない場所“サヴィル・ロウ”というストリートがあります。ここは1800年代から王室御用達の店舗や、軍服の仕立て屋などが軒を連ねる通りです。
1806年に創業した最古のテーラー「ヘンリー・プール」を筆頭に、王室御用達の「ギーブス&ホークス」、エリザベス2世の御用達「ハーディ・エイミス」など名だたるショップが集まり、ブリティッシュスタイルを語る上で欠かせないウィンストン・チャーチル元首相やチャールズ皇太子もサヴィル・ロウで仕立てています。

ブリティッシュスタイルは、肩パットの入った張りのあるショルダーラインとシェイプされたウエストラインで構築的なスタイルは、男らしいシルエットを作り上げています。時間がある方は、「007」や「キングスマン」などの映画もチェックしてみてください。007の主役ジェームズ・ボンドはサヴィル・ロウで仕立てたスーツを愛用している設定になっていますし、キングスマンは高級テーラーが舞台となっていて、実際にサヴィル・ロウの名店“ハインツマン&サンズ”でロケが行われています。非常に紳士的なブリティッシュスタイルをご覧いただけます。

-エレガントで柔らかな“イタリアンシルエット”

イタリアのスーツ文化は、フランスの影響を受けていたピエモンテ州でイギリス式のスーツを作るところから始まったと言われています。その後、イギリス貴族がバカンスのためイタリアに別荘を持つようになり、サルトリアと呼ばれる仕立て屋が増え、優秀なサルト(職人)たちがその土地にあったスーツ文化を発展させていきました。
イギリスの仕立てに影響を受けたミラノスタイル、芸術的な曲線を描くフィレンツェスタイル、暑い気候でも快適な着心地のナポリスタイルが代表的なスタイルです。
その中に共通するのは、丸みを帯びた柔らかくフィットする、エレガントなシルエットです。
まだまだスーツの歴史が浅い日本でも、アメリカントラディショナルとブリッティッシュトラディショナル、オーバーサイズの本格的なイタリアのスーツ(シルエット・仕立て)ブームなどの変遷を経て、エレガントで柔らかな“イタリアンシルエット”が現在のビジネススーツの主流となっています。

-クラシック回帰とは?

数シーズン前からいわれている「クラシック回帰」の潮流。
シルエットはエレガントなイタリアンシルエットに、英国のクラシックディテールを取り入れ、モダンさとクラシックさを融合させたスタイルです。 いまなお残る代表的なクラシックディテールは、共布のベストを加えた「スリーピーススーツ」、襟がとがった「ピークドラペル」、腰のポケットの上に小さなポケットを付けた「チェンジポケット」、腰のポケットを斜めに付けた「スラントポケット」、お尻を隠すような「長めの着丈」、袖口の「本切羽」、襟やポケットに施された「ステッチ」などが挙げられます。
パンツにおいては、ベルトループのない「ベルトレス」、ヒップ上部の「Ⅴスリット」、腰の後ろや脇に付けた「尾錠」などがあります。

-2018AWスーツの“仕立てポイント”

イタリアから見た英国文化へのリスペクト。
シルエットはエレガントなイタリアンシルエットに英国のクラシックディテールを取り入れたスタイルがトレンドになるでしょう。しかし、既製服(イタリアからのインポートスーツ)は、クラシックディテールが満載でややビジネス向きではないように思っている方も少なくないのではないでしょうか。

HANABISHIのオーダーメイドでは、体型にフィットするスーツを作るだけではなく、トレンドを加えたいつもとは少し違うスーツをお作りいただけます。

例えば、いつものビジネススーツでもステッチを入れチェンジポケットを付けたり、パンツに蓋つきの時計ポケットや尾錠を付けたり、少しだけクラシックなディテールを入れた自分だけのこだわりスーツを作ることができます。数年前からトレンドになり、今ではビジネススーツでも多くみられるスリーピーススーツも、ベストを襟付きにしたり、ダブルにしたりするだけで、今シーズンのトレンドに近づけることができます。

HANABISHIがチョイスするこの秋のおすすめ3スタイル

トラバルド トーニャ × シングルピークドラペル

イタリアのエレガントな柔らかさと優れたストレッチ性を持つトラバルド トーニャのグレンチェックオーバーペイン(グレンチェックにウインドペンを重ねた柄)の生地を使用したスタイルです。
シングルピークドラペルの襟元と、襟をベリート(少しラウンド)させ裾をフラットにしたダブルのベストを組み合わせた、クラシックテイスト満載のスリーピーススーツも、生地をトラバルド トーニャにすると柔らかな印象になります。
インタック入りのテーパードパンツは、腰回りのゆとりを持たせつつ膝から裾にかけてスッキリとみせることで、スタイルをよく見せる効果もあります。ベルトレスやサスペンダーボタンなどのディテールもこのスタイルに取り入れると良いでしょう。
タブカラーのシャツや、クラシックな小紋柄のネクタイを合わせた、エレガントな英国紳士スタイルが今シーズンのトレンドです。

コルキス × 英国調ビジネススタイル

国産素材コルキスは、ゆっくり時間をかけて織られる低速織機ならではの風合いが持ち味で、ビジネスで着用しやすい色・柄も多くあります。
太番手で織られた生地には重厚感もあるので、クラシックディテールを盛り込むより、ブリティッシュシルエットで仕立てるのがおすすめです。しかし、昔ながらの肩パットの入った直線的なブリティッシュではなく、ノーパットで肩回りを柔らかくしたシルエットが今の雰囲気にピッタリです。
パンツも、ノータックの少しだけテーパードしたシルエットで軽くハーフクッションさせることで、清潔感あるビジネススタイルとなります。
シャツはセミワイド、タイは少し強めの色が入ったレジメンタルにするとより洗練されたビジネススタイルになり、大切な商談などでも印象よく映ること間違いなしです。

ジョン グリーニシュ × バンカースタイル

英国素材のジョン グリーニシュは、英国伝統の幅広ピッチのバンカーストライプの生地をチョイスしました。
英国素材の特徴である打ち込みの良い生地ですが、ジョン グリーニシュは固くなりすぎず適度なしなやかさもあるので、今シーズンのイタリアンシルエットと英国クラシックディテールの融合には非常に適した素材です。存在感があるバンカーストライプなので、腰のポケットをチェンジポケット付きのスラントポケットにして、クラシックながらシャープな印象にし、ベストも襟なしのスッキリとしたダブルベストが好相性です。

パンツは、アウトタックで少しだけ武骨な男らしさを追加するとトレンド感を出すことができます。
※アウトタックはイギリスではアメリカンプリーツと呼ばれています。このことは次回お話したいと思います。
シャツはロンドンストライプより細めのペンシルストライプを選ぶと、よりシャープな印象です。
タイは太目のピッチのレジメンタルで華やかさをプラスすることによりできあがる、ほど良くエレガントとクラシックがミックスされた新しいビジネススタイルが今シーズン一番のおすすめスタイルです。

この秋のクラシックディテールスーツに“おすすめの生地“

イタリアのエレガントなシルエットに英国のクラシックディテールを加えたスーツには、生地にもこだわりたいものです。ビジネスで着用するには、柔らかな風合いや機能性も大切なポイントになります。

そこで、この秋HANABISHIがおすすめする生地は
・TRABALDO TOGNA(トラバルド トーニャ):イタリア
・COLCHIS(コルキス):日本
・JOHN GREENISH(ジョン グリーニシュ):イギリス
この3つの生地ブランドです。

TRABALDO TOGNA(トラバルド トーニャ)
オーダースーツ価格 ¥82,000(税込)~

歴史あるイタリアの服地メーカーでSuper160‘s以上の原毛を取り扱うので有名です。数あるコレクションの中で、今シーズンHANABISHIが選んだのはウール100%なのに20%以上のストレッチ性をもった世界唯一の生地「ESTORATO(エストラート)」です。十分な艶とハリをもちながらストレッチに優れたイタリア素材はアクティブに活躍するビジネスマンに最適の生地です。

COLCHIS(コルキス)
オーダースーツ価格 ¥72,000(税込)~

Super130‘sの原毛をあえて太目に縒った糸を使い、日本が誇る毛織物産地”尾州”の古い低速織機「ションヘル織機」で生産されています。高速織機で大量生産される生地とは一味違う風合いです。日本の職人がゆったりとした時間の中で織った希少性の高い素材は、英国調のクラシックディテールと好相性です。

JOHN GREENISH(ジョン グリーニシュ)
オーダースーツ価格 ¥72,000(税込)~

今シーズンから新たに展開するイギリスの服地メーカーです。1981年にハダースフィールドに拠点を移転しますが、その前は19世紀の産業革命で羊毛産業で発展したヨークシャーのブラッドフォードで最も古い生地メーカーと呼ばれていました。現在は、英国国内だけではなく、北米・南米・カリブ諸島や中東・極東に至るまで、世界のマーケットにウールファブリックを供給するイギリスを代表する生地メーカーの一つです。イギリスならではのしっかりと目の詰まった打ち込みの良い素材は、耐久性を求めるビジネスマンに最高の一着です。

「クラシック」についてのお話はいかがでしたか?HANABISHIのフィッターも自分だけの“ちょっとだけクラシック”なスーツを楽しみながら着こなしています。
2018AWシーズンは、そんなフィッターと気になるクラシックディテールの話でもしながら、柔らかでエレガントなイタリアンシルエットに、ちょっと英国のクラシックなエッセンスを取り入れて、ビジネスシーンでも自信がもてるワンランクアップしたオーダースーツを仕立ててみるのはいかがでしょうか?

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