スーツのサイズ直しができる箇所とは?納期・費用の目安や依頼する際の注意点を解説

お手入れ

2023.8.16

ウエストを測る男性

スーツをスマートに着こなすためには、自分のサイズに合ったスーツを着ることが重要です。しかし、体型の変化などによりお手持ちのスーツのサイズが合わなくなるケースは珍しいことではありません。買い替えはもちろん、サイズ直しをして自分にぴったりのスーツを手に入れましょう。

今回は、スーツのサイズ直しを検討するタイミングについて解説します。サイズ直しの範囲や費用・納期の目安についてもご紹介するので、ぜひご覧ください。

スーツのサイズ直しはいつする?

スーツのサイズ直しは、基本的に「購入時」「トレンドが変わったとき」「体型が変わったとき」に行います。

「購入したときに裾上げ以外でサイズ直しをしたことがない」という方もいるでしょう。しかし、スーツのサイズはあくまでも標準的な体型をベースに作られています。「入るし、狭くもないし、何となく合っているからちょうど良いのでは」と思って購入に至る方もいますが、その感覚は決してジャストサイズだからというわけではありません。サイズを調整することで、自分の体型によりフィットする1着を手にすることができます。

また、トレンドが変わると「着丈や裾が長い」「胴周りや太もも周りが太い」などの理由から着なくなることがあります。スーツは流行に左右されにくいですが、トレンドがないわけではありません。
「もっと格好良く着こなしたい」「ダサいと思われたくない」という思いから、いまあるスーツに袖を通さなくなるケースも少なくないでしょう。この先トレンドが戻ることもありますが、着ずに何年も保管するのはもったいない選択です。サイズ直しによっていまの好みに近づけることで、スーツを長く大事に着られます。

体型の変化は仕方のないことですが、「より良いものを長く使う」という認識が広がりつつある現代において体型変化のたびにスーツを買い替えるのはあまり得策ではないでしょう。もちろん必要に応じて新しいスーツを仕立てるのは問題はありません。スーツの状態が悪いなら買い替えをおすすめしますが、逆にスーツの状態が良いならサイズ直しをしていまの自分に合わせるのも賢い選択といえるのです。

スーツのサイズ直しのほとんどは、0.5cm〜4cmほどの調整になります。「たったそれくらいの調整ならしなくても良いのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、その数mm、数cmが着心地や着こなしの印象を大きく変えるのです。
スーツを購入する際はもちろん、お手持ちのスーツを着用した際は、下記のポイントをチェックしてみましょう。チェックにあてはまらない場合は、サイズ直しを検討してみてください。

ジャケットのチェックポイント・肩幅が合っており、指1本でつまめるほどのゆとりがある
・肩周りのラインがまっすぐで、しわがない
・胸元のVラインがきれい
・首の後ろの襟元に隙間がなくて、シャツの襟が見えている
・背中に縦しわや横しわがない
・ボタンを留めたときにしわが出ない
・背中側の脇の下にしわがない
・袖口からシャツが1cm~1.5cmほど出ている
パンツのチェックポイント・ウエストには指の第二関節ほどまで入るゆとりがある
・腰あたりに縦に入ったプリーツがきれい
・ポケットがきちんと閉じている
・パンツの縦ライン(クリース)がまっすぐきれい
・お尻や太もも、ふくらはぎなど、後ろにゆとりがある
・内ももにダラっともたつきがない
・裾の長さは靴にかかる程度
メジャーのイラスト

ジャケットのサイズ直しでは、着丈や袖丈を詰められます。サイズを大きくするのは難しいことが多く断られるケースもあるため、問い合わせ時に確認しましょう。

肩幅

肩幅のサイズ直しは難易度が高く、専門店以外は対応できない場合があります。またサイズ直しを受けつけていても、小さくすることはできても大きくすることはできません。購入時にはきちんと試着をし、家族や友人、スタッフなど第三者の視点からもシルエットを確認してもらいましょう。
肩幅は大きすぎても小さすぎてもいけません。大きすぎるとぶかっとしただらしない印象になりますし、小さすぎると背中に横じわが入ってしまうためです。また、肩幅が小さいと二の腕の盛り上がりが肩のつけ根よりも横に出てしまうため、肩から二の腕にかけてのラインにしわが出て窮屈そうに見えてしまいます。

着丈

着丈は短くできます。ヒップトップ(お尻の高い位置)にかかる程度の長さにするとバランスの良い長さになり、後ろ姿がすっきりして見栄えが良くなります。
着丈は長くすることができないため、ジャケットを選ぶ際は長さをしっかりと確認しましょう。

袖丈

袖丈は短くできます。左右で腕の長さが違うことがあるため、それぞれで長さを測ります。袖口の生地を短く切ってしまうと長くしたくなったときに困るため、生地は切らずに長さを詰めるだけにしましょう。
袖丈は下に着用するシャツが袖口から1cm〜1.5cmほど見えているのがベストです。手首のくるぶしが隠れる程度の長さ(親指の先から11cm〜12cmほどの長さ)にしましょう。袖丈が短いと子どもっぽい印象に、長いとだらしない印象になります。また袖丈が長いと「スーツに着られている」といったあか抜けない印象を与えるため、年齢が上になるほど気をつけるべき箇所といえます。

身幅・脇

身幅や脇は詰めることで補正が可能です。大体3cm〜4cmほど小さくできます。
アームホールが大きいと腕を挙げたときに生地が引っ張られすぎてしまいますし、小さいと多少の動きでも窮屈感があります。また、お腹周りは体の曲線に沿ってサイズを調整しないとしわが入るため注意が必要です。胸元から手のひらがスッと入るほどのサイズ感がベストです。
ただし、既製品の場合は大幅なお直しが難しいケースがあります。ジャケットのシルエットが崩れる可能性が高いため注意しましょう。

ジャケットのサイズ直し箇所費用相場納期
肩幅4,000円〜8,000円約5日〜1週間
着丈5,000円〜1万円約10日〜2週間
袖丈3,000円〜8,000円約1週間
身幅・脇5,000円〜1万円約5日〜1週間

ジャケットのデザインやサイズ直しの度合い、依頼する店舗などさまざまな要因に応じて費用や納期は変わります。サイズ直しを依頼する前に見積もりを行い、納期についても質問しておくと安心です。

スーツパンツのサイズ直し範囲と費用・納期の目安

こちらでは、パンツのサイズ直しの箇所について解説します。

ウエスト

縫製方法によりますが、ウエストは3cm〜5cmほど調整することができます。ただし、ポケットの位置は変更できません。着こなしの印象が変わることがあるため注意しましょう。

太もも(ワタリ)

太ももは2cmほど詰めることができます。膝から少しずつ細くする“幅詰め”と、全体のサイズを細くする“渡り詰め”があり、それぞれで着こなしの印象が異なります。

ヒップ(尻囲)

ヒップは3cm〜4cmほど詰めることができます。ウエストと同様、ポケットの位置を変更することはできないため、サイズ直しを行う際はシルエットが崩れないよう注意しましょう。

生地の折り返しがどれほどあるかによって変わりますが、裾の長さは1cm〜3cmほど調整できます。人の体は左右で足の長さが違うことがあるため、それぞれでサイズを測り裾の長さを決めるのが基本です。裾の長さを変更すると膝の想定位置が多少なりとも変わるため、仮留めのときにシルエットが崩れていないかを確認してください。

なお、シングルとダブルでは短くできる長さや費用が変わることがあります。

パンツのサイズ直し箇所費用相場納期
ウエスト(ヒップ含む)2,000円〜6,000円約5日〜7日
太もも3,000円〜6,000円約5日〜7日
1,000円〜3,000円最短当日〜1週間ほど

ジャケットと同様、パンツのサイズ直しもデザインや修正の度合い、依頼する店舗などに応じて費用や納期が変わります。繁忙期は納期が長くなることもあるため事前の確認が大切です。

スーツのサイズ直しはどこに依頼すれば良いのか

肩幅を採寸している男性

スーツのサイズ直しは、プロへの依頼が基本です。スーツを購入した店舗や量販店、お直し専門店などサイズ直しに対応できる店舗は複数ありますが、店舗によって対応できる箇所や費用、納期には違いがあります。どこをどう直したいのか、を明確にした上で「対応可能かどうか」「費用はいくらか」「何日ほどで受け取れるか」を質問しましょう。

お直しに出す場合は、スーツに合わせて着用するシャツや革靴、インナーなどを持っていくのも良いでしょう。スーツは合わせるアイテムによってベストなサイズ感が変わります。夏なら薄着ですし、冬なら中にベストやカーディガンを着ることもあるかもしれません。それらを踏まえた上でサイズ直しを行うことも大切です。

なお、サイズ直しの前にはクリーニングに入れることをおすすめします。マナーの一環であることはもちろん、スーツがピシッとするため正確なサイズを把握しやすくなります。

サイズ直し・補正で使う専門用語

スーツのサイズ直しでは専門的な言い回しを使用するケースが往々にしてあります。
例えば、下記はよく使用される専門用語です。

詰める:「小さくする」「短くする」「縮める」
上げる:「短くする」
出す:「長くする」「伸ばす」「広げる」

必ずしも覚えておく必要はありませんが、意味を知っておくと依頼の際に会話がスムーズです。ふだんからスーツをよく着用する方は、ぜひ頭に入れておいてはいかがでしょうか。

オーダースーツを検討してみよう

既製品のスーツでもサイズ直しは可能ですが、サイズ直しの箇所が多いと費用がかかる他、箇所によってはお直しを断られることもあるため、満足できる仕上がりになるとは限りません。

オーダースーツなら自分の体型に合わせて仕立てるので、サイズの不備が少ないというメリットがあります。また、体型の変化によりサイズが合わなくなったという場合でもお直しがスムーズです。
さらに、オーダースーツ専門店ではスーツに詳しいフィッターが対応するため、スーツの知識がないという方でも安心してお任せできます。
お気に入りのスーツを長く着用したい、一生もののスーツがほしいという方は、ぜひオーダースーツを検討してみてください。

まとめ

スーツの着こなしはサイズに左右されます。痩せた・太ったなどの体型の変化があるとスーツの見栄えに影響しますし、一見すると問題がないように思えても背中側のシルエットが崩れていることもあります。定期的にサイズが合っているかを確認し、必要ならサイズ直しを検討しましょう。

1935年創業の老舗ブランド「HANABISHI (花菱)」のオーダースーツは、完全国内縫製です。さまざまな体型の方に合わせた補正が可能で、熟練したプロフェッショナルフィッターが採寸し、あなたのご要望に合うフィットした1着をご提供いたします。初めてオーダースーツを作る方限定のお得なプランも実施しています。ぜひ、以下のリンクからチェックしてみてください。

西林 和之
Writer
西林 和之
株式会社花菱
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
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