スーツの襟(ラペル)は種類が豊富!各特徴と着こなすためのポイントを紹介

スーツの着こなし

2022.12.21

スーツのボタンを留める男性

ふだんはあまり注目して見ないかもしれませんが、スーツの襟にはさまざまなデザインがあることをご存じでしょうか。些細な部分だと思われがちですが、襟のデザインが違うだけでスーツ全体の印象もガラッと変わります。襟にもこだわりを持つことで、よりおしゃれにスーツの着こなしを楽しめるでしょう。

今回は、スーツの襟の種類について解説します。襟幅の合わせ方・選び方についてもご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

スーツの襟(ラペル)の種類

シャツのボタンの調整する男性

こちらでは、スーツの襟の種類について、王道の3種類を含む計8種類ご紹介します。

ノッチドラペル

ノッチドラペルは、上襟(カラー)と下襟(ラペル)を縫い合わせる部分が直線になっており、下襟がひし形になっている襟のことです。ゴージライン(※1)から剣先(※2)までがまっすぐになっており、先がV字に開いていることから、「V字型の切り込み」という意味を持つ「ノッチ」という言葉がつけられました。

ノッチドラペルは普通襟とも呼ばれており、スーツの襟の中で最も一般的なデザインです。シングルジャケットに採用されることが多く、ビジネスシーンはもちろんカジュアルシーンにも対応できます。

※1:ゴージライン……上襟と下襟を縫い合わせた部分・縫い目

※2:剣先……下襟の角にあたる部分

ピークドラペル

ピークドラペルは、ダブルスーツやテーラードジャケットに使われる代表的な襟です。剣先が斜め上に向かって尖っていることから、「ピーク(尖った部分)」という意味を持つ名前がつけられました。また日本では、「剣襟(けんえり)」と呼ばれることもあります。

ピークドラペルはドレッシーな印象を与えるため、冠婚葬祭といったフォーマルな場で見ることが多いです。また、どちらかというと地位が高く年配の方が着用するイメージがあるため、ビジネスシーンで着用する際は注意しましょう。

セミピークドラペル

セミピークドラペルは、ピークドラペルよりも下襟の角度が水平寄りになっており、剣先も少々丸みがあります。フォーマルな場に合うデザインではありますが、ピークドラペルよりも印象が柔らかく、優雅すぎないデザインなので、スタイリッシュな装いが好まれるビジネスシーンでも着用しやすいといえます。

フィッシュマウスラペル

フィッシュマウスラペルは、襟先の形が魚の口のように見えることから名づけられました。一見ノッチドラペルと似ていますが、切れ込みが浅く、下襟が横になっているのが特徴です。品があり優しい印象を与えるフィッシュマウスラペルは、ビジネスシーンにぴったりの襟型で3つボタンスーツによく合います。

クローバーリーフラペル

クローバーリーフラペルは、ノッチドラペルの襟の角がとれたようなデザインです。柔らかくて優しい印象があるため、レディーススーツにもよく使われています。また、1つボタンで光沢のあるコンテンポラリースーツにも使われています。カジュアルシーンにも、ビジネスシーンにもおすすめです。

ローリングダウンラペル

ローリングダウンラペルは、第一ボタン側の部分が反り返っているデザインです。別名「段返りボタン」とも呼ばれており、ローリングラペルのスーツでは第一ボタンは開けて着用するのが基本とされています。適度なカジュアルさが魅力ですが、上品な印象も持ち合わせているためビジネスシーンでも重宝します。

ショールカラー

ショールカラーは、ショール(肩掛け)を羽織ったようなデザインが特徴の一枚襟です。上襟と下襟がつながっており、肩から合わせまでの曲線的なデザインがへちまのように見えることから、別名「ヘチマカラー」とも呼ばれています。上品で格式の高いショールカラーは、フォーマルシーンにぴったりです。主にタキシードに用いられています。

ノーカラー

ノーカラーは、カーディガンのように襟がないタイプのデザインです。カジュアルな印象なのでTシャツとも相性が良いですが、色やデザインによってはモードかつシャープな雰囲気になるため、きれいめな装いも楽しめます。

スーツの襟(ラペル)は幅も重要

スーツの襟を触る横向きの男性

スーツを選ぶ際は、襟のデザインだけでなく、襟幅にも注目しましょう。襟幅によってもスーツの見た目は大きく変わるため、襟幅の種類ごとの印象を覚えておくことをおすすめします。

レギュラー

レギュラーラペルとは、一般的な襟幅のことです。平均的な襟幅は7.5〜8.5cmほどで、ベーシックでトレンドの影響を受けづらいという特徴があります。

ワイドラペル

1950年代以前に生まれたワイドラペルは、幅が広いのが特徴です。平均的な襟幅は9〜10cmほどで、伝統的でクラシックな印象から安定感や信頼感を与えます。太いネクタイとの相性が良く、体格の良い大柄な男性が着用するとより重厚感のある装いに仕上がります。

なお、襟幅が10cm以上になるとビジネスには不向きになるため注意しましょう。

ナローラペル

1960年代以降に生まれたナローラペルは、襟幅が細く、細身のスーツによくみられます。平均的な襟幅は6〜7cmほどと細く、現代的でスタイリッシュな雰囲気が魅力です。

スーツを格好良く着こなすための襟幅の合わせ方

スーツを格好良く着こなすためには、ジャケットの襟幅、ネクタイの幅、シャツの襟先の幅のバランスが大切です。下記にてポイントをまとめたので、ぜひコーディネート時のご参考にしてください。

ネクタイの幅と合わせる

襟幅の流行は時代によって変化しますが、どんな襟幅のスーツでもネクタイの幅と合わせると結び目の大きさのバランスが良くなり、コーディネートに統一感が出ます。ネクタイを選ぶ際は、ジャケットの下襟の広い部分にネクタイの大剣を重ね、双方の広い部分がほぼ同じ幅になっているかを確認しましょう。

シャツの幅と合わせる

ジャケットの襟幅とシャツの襟幅を合わせることも大切です。例えば、幅が広いワイドラペルに小さな襟のシャツを合わせると、バランスが悪くて不恰好になります。同様に、幅の狭いナローラペルに大きな襟のシャツを合わせると、シャツの襟先がジャケットの襟からはみ出し、だらしない印象を与えてしまうため注意しましょう。

なお、シャツの襟幅とネクタイの大剣の幅も合わせるように意識すると、着こなしにまとまりが出ます。

流行を追うなら同時購入

流行を追った着こなしを楽しみたいという方は、シャツとネクタイを同時に購入しましょう。スーツを新調する際に一緒に購入するのがおすすめですが、今あるスーツに合うものを選ぶ際にも、ネクタイとシャツを合わせて購入するとコーディネートがまとまりやすくなります。

まとめ

スーツの襟には種類があり、それぞれの特徴によって印象が異なります。ビジネス用、冠婚葬祭用、プライベート用というように、着用目的を明確にした上で適切なスーツを選び、そこからさらに襟の形状にも注目してみてください。こだわる箇所を増やすことで、スーツをよりいっそうおしゃれに着こなせるようになるはずです。

1935年創業の老舗ブランド「HANABISHI (花菱)」のオーダースーツは、完全国内縫製のイージーオーダーです。さまざまな体型の方に合わせた補正が可能で、熟練したプロフェッショナルフィッターが採寸し、あなたのご要望に合うフィットした1着をご提供いたします。また、ラペルに合うシャツやネクタイをご提案することも可能です。初めてオーダースーツやオーダーシャツを作る方限定のお得なプランも実施しています。ぜひ、以下のリンクからチェックしてみてください。

西林 和之
Writer
西林 和之
株式会社花菱
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
2015年HANABISHIに入社。経営企画部を経て、現在はマーケティンググループ長として、販売の企画、コンテンツマーケティング等を担当。
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